税理士の選び方|相続は「年2件」の壁を数字で見抜く7つの質問
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税理士の選び方|相続は「年2件」の壁を数字で見抜く7つの質問

まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
  1. 申告件数を税理士1人あたりに割り戻す(全国平均は年約2.0件)
  2. 同じ前提で見積りを取り直す(「遺産総額の0.5〜1%」は事務所により実効率が大きくぶれます)
  3. 自分の相続の論点に必要な専門性だけを買う(実家の土地/名義預金/分割の争い/期限までの残日数)
注意

税制・法令は改正されます。本記事は公表資料をもとにした一般的な情報であり、個別の判断は税理士・弁護士・司法書士などの専門家にご確認ください。

結論:相続の税理士はどう選ぶ?まず何をすべき?

なぜ「件数÷人数」から始めるのか

  • 「年間30件」と答えた事務所に税理士が10名いれば、1人あたり3件。平均よりやや上、という読み方になります
  • 「年間300件・税理士5名」なら1人60件。明らかに相続を主戦場にしている事務所です
  • 数字を出さず「多数の実績」としか答えない場合は、判断材料がないと考えるのが無難です

「相談件数」と「申告件数」は別物です

相続税理士の選び方でつまずく主な原因を深掘り

相続税理士の選び方でつまずく主な原因を深掘り

原因1:件数表記が横並びで比較できない

原因2:見積りの「遺産総額」の定義がそろっていない

  • 小規模宅地等の特例を適用するの総財産額なのか
  • 特例適用の課税価格なのか
  • 債務・葬式費用を引く前なのか後なのか

原因3:税理士に「頼めないこと」を期待してしまう

注意

「相続に強い税理士1人ですべて解決」という説明は、争いがあるケースには当てはまりません。分割方針が固まっていない段階では、弁護士と税理士の役割分担を前提に探す必要があります。

「相続に強い」を自分で検算する見分け方

ステップ1〜3の具体手順

  1. 申告件数を聞く:「昨年1年間の相続税の申告件数は何件ですか」。相談件数との内訳も同時に確認します
  2. 在籍税理士数を聞く:「税理士登録をしている方は何名ですか」。無資格スタッフの人数とは分けて聞きます
  3. 割り算する:申告件数 ÷ 税理士数 = 1人あたり件数。全国平均の年約2.0件(166,730件÷82,343名)と比較します
  4. 担当者を確認する:「私の担当は税理士本人ですか、スタッフですか」。スタッフが主担当なら、税理士のレビュー頻度を聞きます

登録情報と懲戒歴を無料で確かめる

日本税理士会連合会「税理士情報検索サイト」(https://www.zeirishikensaku.jp/ )では、税理士・税理士法人の登録情報および懲戒処分等に関する事項を無料で検索できます。

税務調査への備えがあるかを見る

  • 書面添付制度を標準で使うか。これは税理士法第33条の2の「計算事項等を記載した書面」の添付と、法第35条の意見聴取制度の総称で、平成14年4月1日から実施されています(日本税理士会連合会)
  • 税務調査に立ち会う場合の日当・報酬を、契約前に書面化できるか

相続税 税理士 選び方の具体的な解決方法|同条件見積り再現表

前提を固定して並べ直す

  • 遺産総額 1億4,025万円(国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」の被相続人1人当たり課税価格)
  • 土地 2箇所
  • 相続人 3人
  • 申告期限まで残り3ヶ月
事務所(公開料金表)①基本報酬②土地加算③相続人加算④特急加算⑤総額(税込)⑥実効率⑦「遺産総額」の定義確認
税理士法人トゥモローズ(tomorrowstax.com/price/)770,000円(1億〜1億5,000万円)55,000円×2=110,000円770,000×10%×2=154,000円小計1,034,000×10%=103,400円1,137,400円0.81%特例適用前の総財産か課税価格かを要確認
税理士法人 木戸&パートナーズ(kido-partners.com)770,000円(1億〜1億5,000万円)表に単価記載なし(要見積)表に記載なし(要見積)表に記載なし(要見積)770,000円+α0.55%+α加算項目の全リストを要確認
相場の下限(遺産総額の0.5%)約701,000円0.50%相場は目安であり内訳は不明
相場の上限(遺産総額の1%)約1,402,500円1.00%相場は目安であり内訳は不明
あなたのケース(記入用)%
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※各社の公開料金表(2026年9月時点で確認できた表示)にもとづく本記事の再計算です。実際の金額は個別見積りによります。

加算報酬の単価を先に押さえる

残日数で総額が変わる

補足

「相場は遺産総額の0.5〜1%」という説明はよく見かけますが、上の表のとおり、同じ1億4,025万円でも実効率は0.55%から0.81%超まで開きます。加算項目と残日数を入れると、同条件でも実効率は2倍近く動くことになります。相場の数字だけで判断しないほうが安全です。

ケース別の対処|相続税 税理士 選び方の4タイプ診断

4問の診断チャート

  1. Q1:遺産に実家(土地・建物)がありますか
  • はい → Q1-2:その不動産の所在地は、依頼候補の事務所の営業圏内ですか
  • 圏外 → 「遠隔で申告できるか」「e-Taxに対応しているか」「現地の実地確認は誰が行くか・交通費は報酬に含むか」を必須確認項目に加えてください
  • いいえ → Q2へ
  1. Q2:相続人全員で分割方針が固まっていますか
  • いいえ → タイプC(弁護士併走型)。弁護士が主導し、税理士は申告のみに限定します
  • はい → Q3へ
  1. Q3:貸家・貸付用不動産や非上場株式がありますか
  • はい → 令和8年度税制改正への見解を面談で必ず質問してください(後述)
  • いいえ → Q4へ
  1. Q4:申告期限まで何ヶ月ありますか
  • 3ヶ月未満 → タイプD(期限救済型)
  • 3ヶ月以上 → 実家が遠方ならタイプB、都市部・件数重視ならタイプA

4タイプと最優先確認3項目

タイプ向いているケース最優先で確認する3項目
A 件数実績型(大手・年間申告件数で選ぶ)遺産構成が標準的で、処理の速さと標準化を重視①年間申告件数と税理士1人あたり件数 ②担当者は税理士本人かスタッフか ③書面添付の標準対応と料金
B 地元不動産型(現地評価・役所調査に強い地域事務所)実家の土地が主要資産、評価の難易度が高い①現地確認と役所調査を誰が行うか ②土地の減額評価の実績と事例 ③交通費・出張費の扱い
C 弁護士併走型(争いあり・申告のみ切り出し)相続人間で分割方針が固まっていない①提携弁護士の有無 ②税理士がどこまでで手を引くかの線引き ③未分割申告と、分割成立後の修正・更正手続の費用
D 期限救済型(特急対応の可否と加算率が明示)申告期限まで3ヶ月未満①特急加算率の明示(10〜30%が一例) ②着手可能日と必要書類の一覧 ③期限に間に合わない場合の代替手順
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実家が地方にある場合の落とし穴

注意

e-Tax対応だけでは足りません。土地の評価には現地の確認(間口・奥行き・接道・高低差・利用状況など)が伴うため、「現地には誰が行くのか」「行かない場合は何で代替するのか」「その費用は報酬に含まれるか」を必ず確認してください。

相続 税 申告 税理士 選び方の予防・再発防止のコツ

見積書に書いてもらう項目

  • 基本報酬の判定に使う「遺産総額」の定義(特例適用前か後か、債務控除の前か後か)
  • 加算報酬の全リストと単価(土地1箇所あたり、非上場株式1社あたり、相続人加算の計算式、書面添付、特急加算)
  • 税務調査に立ち会う場合の日当・報酬
  • 現地確認・役所調査の交通費・出張費の扱い
  • 二次相続シミュレーションが報酬に含まれるか

二次相続まで見て判断する

「無料紹介」の裏側を知っておく

  • 紹介サイト:候補を短時間で集めるのに向きます。ただし「相続の専門性」ではなく「登録している事務所」から選ばれる点に注意します
  • 銀行・信託の紹介:手続きは楽ですが、報酬に紹介コストが乗る可能性があります
  • 税理士会・税理士情報検索サイト:手数料が発生せず、登録情報や懲戒に関する事項も確認できます。ただし専門分野の絞り込みは自分で行う必要があります

専門家・公的情報の見解|2026年時点で確認したい制度改正

貸家・貸付用不動産の評価見直し(令和9年1月1日以後)

注意

税制改正大綱は「方針」を示す文書であり、その後の法案審議で内容が変わる可能性があります。適用時期や対象範囲の最終的な確認は、必ず担当の税理士と国税庁の公表資料でお願いします。

教育資金の一括贈与の非課税措置は期限到来

空き家の3,000万円特別控除は「相続人3人以上」で縮小

国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)」では、適用要件・必要書類・自治体の確認書の取得手順が示されています。

面談で使う13問チェックリスト

#質問良い回答危険な回答
1年間の「申告件数」は何件ですか。「相談件数」との内訳は両方を即答する相談件数だけを提示する
2在籍税理士は何名ですか。申告件数÷税理士数は数字で答える(全国平均は年約2.0件)「多数在籍」など曖昧
3私の担当は税理士本人ですか。スタッフ主担当ならレビュー頻度は担当体制とレビュー頻度を明示「担当が付きます」のみ
4税理士法33条の2の書面添付は標準で付けますか。料金は標準添付・料金を明示「必要ならお付けします」
5税務調査に立ち会う場合の日当・報酬を書面化できますか事前に書面化できる「その時に相談」
6小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減を、二次相続まで含めて2パターン以上試算しますか標準対応と回答一次相続のみの試算
7名義預金や生前の預金移動をどこまで遡って確認しますか遡る期間と方法を具体的に説明質問自体をしてこない
8申告はe-Taxですか、紙ですかe-Tax対応(利用率は令和6年度50.3%)「紙のみ」で遠隔不可
9不動産の現地確認と役所調査は誰が行きますか。交通費は報酬に含みますか担当者と費用を明示「資料だけで対応します」
10相続人間で意見が割れた場合、弁護士の連携先はありますか。どこで手を引きますか提携先と線引きを説明「うちで話をまとめます」
11令和8年度改正(5年内取得の貸家の時価評価・2027年1月〜)と空き家3,000万円控除(相続人3人以上は2,000万円)の影響を、今回の遺産で説明できますか内容を把握し影響を説明改正を把握していない
12この見積りの「遺産総額」の定義と、後から増える加算項目の全リストは定義と全リストを書面で提示「ケースによります」のみ
13紹介経由の場合、紹介手数料は発生していますか率直に開示(相場は申告報酬の10%程度)明言を避ける
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やってはいけないNG対応

NG1:「0.5〜1%だから妥当」で判断を止める

NG2:見積りを1社しか取らない

NG3:税理士が決まる前に相続人間の交渉を任せてしまう

NG4:期限を後回しにする

まとめ|今日から動ける3ステップ

注意

本記事は公表資料をもとにした一般的な情報提供であり、個別の相続に関する判断や税額計算を保証するものではありません。相続税の取り扱いは、遺産の内容・相続人の状況・改正の適用時期によって結論が変わります。実際の申告や対策にあたっては、必ず税理士にご相談ください。不動産の名義変更(相続登記)については司法書士、相続人間に争いがある場合は弁護士へのご相談をご検討ください。

よくある質問

相続税申告は税理士に頼まないとダメ?

相続税理士の選び方で、大手と地域の事務所どちらが良い?

相続税 税理士 選び方で、報酬はいくらが目安?

相続 税 申告 税理士 選び方で、遠方の実家でも依頼できる?

税理士の懲戒歴は調べられる?

※記載の統計・制度は上記時点で公表されている資料にもとづきます。税制改正により取り扱いが変わる可能性がありますので、最新情報は国税庁ウェブサイトおよび担当の税理士にご確認ください。

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