名義預金は相続税の要注意|税務調査で否認される5つの条件と対策
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名義預金は相続税の要注意|税務調査で否認される5つの条件と対策

まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
  1. 被相続人と家族全員分の通帳・キャッシュカード・印鑑を集め、口座の一覧を作る
  2. 各口座について「誰のお金か」「誰が管理していたか」を過去10年分の入出金で確認する
  3. 判断に迷う口座が1つでもあれば、申告期限(相続開始を知った日の翌日から10か月)より前に税理士へ相談する
注意

本記事は2026年8月時点で公開されている法令・国税庁資料をもとにした一般的な解説です。税務上の判断は個別事情で大きく変わります。実際の申告・対応は必ず税理士等の専門家にご確認ください。

結論:まず何をすべきか

相続開始から10か月でやることの順番

時期の目安やることポイント
〜2か月家族名義口座の全数把握、通帳・印鑑・カードの保管場所確認被相続人の自宅金庫・タンスも確認
〜4か月金融機関へ取引履歴を請求(過去10年分)相続人であれば単独請求できるのが一般的
〜6か月口座ごとに「贈与成立/名義預金の疑い」を仕分け贈与契約書・申告書の有無を確認
〜8か月税理士と方針決定、財産目録を確定グレーな口座は根拠資料とセットで相談
〜10か月相続税申告・納付判断根拠を書面で残しておく
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口座の取引履歴は10年分を取る

そもそも名義預金とは何か?

そもそも名義預金とは何か?

名義預金と生前贈与の違い

項目名義預金と判断されやすい生前贈与が成立しやすい
もらう側の認識口座の存在を知らない存在を知り、受諾している
通帳・印鑑被相続人が保管名義人本人が保管
印鑑被相続人の印鑑と同一名義人固有の印鑑
入出金の指示被相続人がすべて行う名義人が自由に使える
記録何も残っていない贈与契約書・贈与税申告書あり
住所・届出印被相続人の住所で開設名義人の住所・自署
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「名義株」「名義保険」も同じ考え方

補足

「名義預金」という言葉は法律の条文用語ではなく、実務・税務調査上の通称です。条文上は「相続財産に含まれるかどうか」の帰属判定の問題として整理されます。

主な原因を深掘り

原因1:子や孫に内緒で積み立てていた

原因2:年110万円の非課税枠を誤解していた

原因3:家族の口座を親がまとめて管理していた

注意

「へそくり」も名義預金と同様に問題になりやすい論点です。生活費として渡された金銭を配偶者が貯めた場合、その原資は被相続人の収入とみなされる可能性があるとされています。金額が大きい場合は自己判断せず専門家に確認してください。

原因4:認知症などで親が管理できなくなった後の引き出し

原因別の見分け方:自分の家はどのケース?

セルフチェックリスト

  • [ ] 名義人が口座の存在を知らなかった
  • [ ] 通帳・キャッシュカードを被相続人が保管していた
  • [ ] 届出印が被相続人の他の口座と同じ印鑑である
  • [ ] 口座開設時の住所・筆跡が被相続人のものである
  • [ ] 名義人が一度も出金したことがない
  • [ ] 名義人の収入では説明できない残高がある(学生・無職・専業主婦など)
  • [ ] 贈与契約書がなく、贈与税の申告もしていない
  • [ ] 入金が毎年同じ日・同じ金額で機械的に行われている

原因タイプ別・必要になる証拠

タイプありがちな状況用意すべき資料
内緒の積立型孫名義で毎年入金贈与契約書、名義人の受領認識を示すもの
110万円誤解型毎年ちょうど110万円入金贈与契約書、贈与の都度の意思確認記録
家計一括管理型配偶者名義に多額の残高配偶者の給与明細・年金記録・実家の相続資料
介護後の移動型親の口座から子口座へ移動医療費・介護費の領収書、出金理由のメモ
相続後発覚型遺品整理で通帳が出てきた取引履歴、開設時期と原資の説明資料
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「毎年同額・同日」は特に目立つ

名義預金と分かったときの具体的な解決方法

申告期限前に気づいた場合の手順

  1. 対象口座の残高証明書と取引履歴を取得する
  2. 被相続人の財産として財産目録に計上する
  3. 遺産分割協議の対象に含める(既に協議済みなら協議をやり直す必要が生じる場合があります)
  4. 相続税申告書に反映し、10か月以内に申告・納付する
  5. 判断根拠(なぜ名義預金と整理したか)を書面で残す

申告後・期限後に気づいた場合の手順

  1. 税理士に相談し、修正申告書を作成する
  2. 税務調査の通知が来る前に自主的に提出する
  3. 増差税額と延滞税を納付する

ペナルティの目安

状況過少申告加算税の目安備考
調査通知前に自主修正課されない延滞税は別途かかります
調査通知後〜調査前の修正5%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は10%)
調査後の修正10%(同上超過部分は15%)
仮装隠蔽があった場合重加算税35%(無申告は40%)意図的な隠匿と判断された場合
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※税率は2026年8月時点で国税庁が公表している一般的な取扱いです。適用の可否や加重措置(短期間に繰り返した場合の10%加算など)は事案により異なります。

注意

通帳を隠す、取引履歴を出さない、口座を解約して現金化するなどの行為は、仮装隠蔽とみなされ重加算税の対象となるおそれがあります。加えて延滞税の計算期間の特例も適用されないため、金銭的な負担は大きく膨らみます。

名義預金と認められなかった場合の逆パターン

ケース別の対処

ケース1:孫名義に毎年100万円、15年間で1,500万円

ケース2:専業主婦の妻名義に2,000万円

ケース3:亡くなる直前に500万円を子の口座へ移した

ケース4:遺産分割協議が終わった後に通帳が出てきた

ケース5:名義人である子がすでに使ってしまっていた

予防・再発防止のコツ

生前贈与を確実に成立させる5ステップ

  1. 贈与のたびに贈与契約書を作成し、双方が自署・押印する(日付・金額・当事者を明記)
  2. 受贈者本人が開設した口座へ、銀行振込で送金する(記録が残る形にする)
  3. 通帳・キャッシュカード・届出印は受贈者本人が保管する
  4. 届出印は贈与者の印鑑と別のものを使う
  5. 年間110万円を超える場合は、翌年2月1日〜3月15日に贈与税を申告・納付する

あえて111万円を贈与して申告する方法の是非

未成年の子・孫へ贈与する場合

制度を使う選択肢

制度概要注意点
教育資金の一括贈与受贈者1人につき1,500万円まで非課税金融機関での専用口座と領収書提出が必要。適用期限あり
結婚・子育て資金の一括贈与1,000万円まで(結婚関連は300万円まで)同上。使い残しは課税対象
相続時精算課税2024年以後、年110万円の基礎控除あり一度選ぶと暦年課税へ戻れません
贈与税の配偶者控除婚姻20年以上、居住用不動産等で2,000万円まで同じ配偶者からは一生に一度
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※各制度には適用期限・要件があります。最新の内容は国税庁ホームページでご確認ください。

専門家・公的情報の見解

国税庁が示す判断要素

財産の名義がだれであるかは重要な要素ですが、それのみで判断されるものではなく、その財産の取得のための資金の出捐者、その管理及び運用の状況、その財産から生ずる利益の帰属者、被相続人と名義人との関係、名義人がその名義を有することとなった経緯等を総合的に勘案して判断されます。

統計から見る調査の実態

裁判例・裁決例に見る傾向

補足

国税不服審判所は公表裁決事例をホームページで検索できるようにしています。似た事案の判断傾向を知りたい場合は、税理士に近い事例を探してもらうと参考になります。

専門家への相談タイミング

やってはいけないNG対応

NG1:通帳を隠す・取引履歴を提出しない

NG2:相続開始後に口座を解約して現金化する

NG3:遡って贈与契約書を作る

NG4:「知らなかった」で放置する

NG5:相続人だけで結論を出す

注意

税務調査は相続税の申告期限から1〜2年後に行われるケースが多いとされています。申告が終わっても、しばらくは資料を保管しておいてください。取引履歴・領収書・贈与契約書は最低でも7年程度の保管をおすすめします。

よくある質問

Q1. 名義預金はいくらから税務署に指摘されますか?

Q2. 贈与税の申告をしていれば名義預金になりませんか?

Q3. 名義預金は何年前までさかのぼって調べられますか?

Q4. 亡くなった親の口座から生前に引き出した現金はどう扱いますか?

Q5. 名義預金が見つかったら誰が相続税を払いますか?

まとめ:今日からできる3つの行動

注意

相続税・贈与税の制度は改正が続いており、2024年以降も生前贈与加算期間の延長など重要な変更が行われています。本記事の内容は一般的な解説であり、個別の判断を保証するものではありません。実際の申告・対応にあたっては、国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/)で最新情報をご確認のうえ、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。

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