まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
注意
一般的な説明です。個別の請求は弁護士・司法書士・税理士へ相談してください。
結論:遺留分侵害額請求のやり方は4ステップ
| 時期 | やること | 実費の目安(2026年10月10日確認) | 期限 |
|---|---|---|---|
| 亡くなった直後〜 | 遺言・贈与を確認し、戸籍と財産資料を集める | 戸籍謄本450円、除籍・改製原戸籍750円(1通。多摩市) | 1年が進行中 |
| 侵害を知ったら | 相手と話し合う | 0円 | 同上 |
| 知ってから1年以内 | 配達証明付き内容証明で意思表示 | 窓口1,420円/e内容証明1,645円(1枚。日本郵便の料金から計算) | 1年 |
| まとまらない | 家庭裁判所に調停を申し立てる | 収入印紙1,200円+郵便切手(裁判所) | 意思表示から5年(目安) |
| 調停不成立 | 簡易裁判所(140万円以下)か地方裁判所で訴訟 | 請求額に応じた手数料(民事訴訟費用等に関する法律) | 同上 |
遺留分侵害額請求とは?対象になる人と割合

| 相続人 | 1人あたりの遺留分 |
|---|---|
| 子2人(兄・妹) | 各1/4 |
| 配偶者+子2人 | 配偶者1/4、子は各1/8 |
| 両親のみ | 各1/6 |
| 兄弟姉妹 | なし |
時効は?1年・5年・10年の3つの期限
| 期限 | 数え始め | 何の期限か | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 相続開始と、侵害する贈与・遺贈を知った時 | 請求の意思表示 | 民法1048条前段 |
| 5年 | 権利を行使できると知った時 | 意思表示で生じた金銭債権の回収 | 民法166条1項1号 |
| 10年 | 相続開始 | 知らなくても請求不可に | 民法1048条後段 |
注意
裁判所「遺留分侵害額の請求調停」は、調停の申立てとは別に内容証明郵便等により意思表示を行う必要があると案内しています。
始める前の準備・必要なもの
- 亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍・改製原戸籍を含む)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 遺言書の写し
- 遺産に関する証明書(不動産登記事項証明書、預金の残高証明書など)
- 固定資産評価証明書、預金の取引履歴
- 借金の資料、生命保険の受取人と金額がわかる資料
手順を順番に解説
ステップ1:話し合う
ステップ2:内容証明を送る
- 窓口:基本110円+一般書留480円+内容証明480円=1,070円。配達証明を付けると+350円で1,420円。2枚目からは内容証明料が1枚290円増えます。
- e内容証明:日本郵便の計算例(1枚・謄本通常送付)は1,295円。これに配達証明350円を加えた1,645円は本記事の計算です。
ステップ3:家庭裁判所に調停を申し立てる
- 相手方:贈与や遺贈を受けた人
- 申立先:相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で決めた家庭裁判所
- 費用:収入印紙1,200円+連絡用の郵便切手(裁判所ごとに異なる)
ステップ4:訴訟を起こす
費用はいくら?自分でやる場合と弁護士に頼む場合
| 段階 | 実費 | 根拠(2026年10月10日確認) |
|---|---|---|
| 内容証明 | 窓口1,420円/e内容証明1,645円(1枚・配達証明込み) | 日本郵便の料金から計算 |
| 戸籍 | 謄本450円、除籍・改製原戸籍750円(1通) | 多摩市 |
| 調停 | 印紙1,200円+郵便切手 | 裁判所 |
| 訴訟 | 請求額750万円なら手数料4万円+郵便費用相当額 | 民事訴訟費用等に関する法律 別表第一、裁判所リーフレット |
| 弁護士 | 事務所ごとに異なる | 各事務所の見積もり |
計算例:実家の評価で請求額はいくら変わる?
- 基礎財産=相続開始時の財産+算入される贈与−債務(民法1043条)。相続人への贈与は、相続開始前10年以内の婚姻・養子縁組・生計の資本としてのものが算入されます(民法1044条1項・3項)
- 妹の遺留分=基礎財産×1/2×1/2=基礎財産×1/4(民法1042条)
- 侵害額=遺留分−妹の取得額−妹の特別受益+妹が負担する債務(民法1046条2項)
| 評価方法 | 実家 | 基礎財産 | 侵害額 | 1年遅れた場合の遅延損害金(年3%) |
|---|---|---|---|---|
| 固定資産税評価額 | 2,000万円 | 3,000万円 | 750万円 | 22.5万円 |
| 路線価 | 2,500万円 | 3,500万円 | 875万円 | 26.25万円 |
| 実勢価格 | 3,000万円 | 4,000万円 | 1,000万円 | 30万円 |
つまずきやすいポイントと対処法
生命保険金は原則として対象外
相手が現金を払えない場合
注意
国税庁の質疑応答事例では、お金の代わりに土地を渡すと代物弁済にあたり、渡した側に譲渡所得の課税が行われるとしています。不動産で受け取る案は税理士に確認してください。
今すぐやることがわかる診断チャート
- 亡くなったのは2019年7月1日以降? いいえ→改正前の手続き。専門家へ。
- 遺言や贈与を知って1年以内? いいえ・わからない→起算点の判断は事情によるため、すぐ弁護士へ。
- 相手は話し合いに応じる? はい→合意書と公正証書を検討し、内容証明も出す。いいえ→内容証明を出し、調停の申立書を準備。
- 主な財産は不動産? はい→3通りの価格と査定をそろえる。
- 家庭裁判所が遠い? はい→家庭裁判所が相当と認めればウェブ会議で期日に参加できます(裁判所「家事事件Q&A」)。家事事件のオンライン申立ては令和10年6月までに対象となる予定です(裁判所リーフレット)。




