相続手続きの流れ

相続 手続き期限の全リスト|死亡日を入れて逆算する早見表

親の相続に直面した40〜60代へ。7日から10年までの期限を相続開始日から実日付で計算する方法と、2027年3月31日など全国一斉に来る絶対期限、過ぎた後でも使える救済ルート10種を整理します。

相続 手続き期限の全リスト|死亡日を入れて逆算する早見表
まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
注意

相続手続きは個別事情で結論が大きく変わる分野です。本記事は制度の全体像を整理したもので、最終的な判断は税理士・司法書士・弁護士など専門家にご確認ください。

死亡日から全期限を逆算するカレンダー表

手続き層起算日計算式期限日(5/10死亡の例)過ぎると失うもの
死亡届罰あり死亡を知った日+7日2026/5/17過料(戸籍法)
年金受給停止(厚生年金)罰あり死亡日+10日2026/5/20過払い分の返還
年金受給停止(国民年金)罰あり死亡日+14日2026/5/24過払い分の返還
健康保険資格喪失・世帯主変更罰あり死亡日+14日2026/5/24過料の対象
相続放棄・限定承認選択肢消滅※知った時+3か月2026/8/10借金の承継(原則不可逆)
準確定申告罰あり※知った日の翌日+4か月2026/9/10無申告加算税・延滞税
相続税の申告・納付罰あり※知った日の翌日+10か月2027/3/10加算税+配偶者控除・小規模宅地の特例
遺留分侵害額請求選択肢消滅※知った時+1年2027/5/10権利そのものが消滅
葬祭費・埋葬料もらい忘れ葬儀日の翌日等+2年2028/5/103〜7万円/5万円
高額療養費もらい忘れ診療月の翌月1日+2年2028/6/1自己負担超過分の還付
生命保険金もらい忘れ支払事由発生日+3年2029/5/10保険金全額
相続登記罰あり※取得を知った日+3年2029/5/1010万円以下の過料
空き家3,000万円控除選択肢消滅死亡日3年経過日の属する年の12/312029/12/31最大3,000万円の控除
取得費加算の特例選択肢消滅申告期限の翌日+3年2030/3/10譲渡所得の圧縮
未支給年金・遺族年金もらい忘れ支払日の属する月の翌月初日等+5年2031/5/10年金の請求権
遺産分割10年ルール選択肢消滅死亡日+10年2036/5/10特別受益・寄与分の主張
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※印は起算日が「死亡日」ではありません。疎遠だった親の死亡を後から知った場合など、起算点が後ろにずれる余地があります。ご自身のケースではこの行だけ日付をずらして計算してください。

もらい忘れると消える「お金の期限」一覧

もらい忘れると消える「お金の期限」一覧
受け取れるお金請求先時効時効の起算点金額の目安根拠
未支給年金年金事務所5年支払日の属する月の翌月初日死亡月までの未払分日本年金機構「年金の時効」
遺族年金年金事務所5年権利発生日受給要件により変動日本年金機構「年金の時効」
死亡一時金年金事務所2年死亡日の翌日納付月数に応じ算定国民年金法
葬祭費市区町村(国保・後期高齢)2年葬儀日の翌日自治体により3〜7万円国民健康保険法
埋葬料協会けんぽ等2年死亡日の翌日5万円健康保険法
高額療養費保険者2年診療月の翌月1日自己負担限度額超過分健康保険法
生命保険金保険会社3年(かんぽ生命は5年)支払事由発生日契約額保険法95条
相続税の還付(更正の請求)税務署原則5年/分割確定後は4か月申告期限の翌日等納め過ぎた税額国税通則法・相続税法
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実務上の請求順序

  1. 葬祭費・埋葬料(2年) — 葬儀後すぐ。領収書が必要なので保管しておく
  2. 高額療養費(2年) — 入院していた場合は必ず確認する
  3. 生命保険金(3年) — 証券が見つからなくても生命保険契約照会制度で調査可能
  4. 未支給年金・遺族年金(5年) — 年金受給停止の手続きと同時に請求できる

遺産相続手続きの期限一覧|義務側の基本

期限手続き窓口
7日以内死亡届の提出市区町村役場
14日以内年金受給停止、健康保険の資格喪失、世帯主変更年金事務所・市区町村役場
3か月以内相続放棄・限定承認(熟慮期間)家庭裁判所
4か月以内準確定申告税務署
10か月以内相続税の申告・納付税務署
1年以内遺留分侵害額請求(侵害を知った時から)相手方・家庭裁判所
3年以内相続登記(取得を知った日から)法務局
10年特別受益・寄与分の主張期限家庭裁判所
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補足

遺留分侵害額請求には「相続開始から10年」の除斥期間もあります。1年の時効とは別枠なので、遺言の存在を長く知らなかったケースでも10年で権利が消滅する点にご注意ください。

相続税は「うちには関係ない」と言えるか

2027年・2028年に全国一斉に来る「絶対期限」

2027年3月31日:過去の相続分の相続登記期限

注意

実家の名義が親ではなく祖父母のままになっているケースは珍しくありません。この場合、数世代分の相続人を洗い出す必要があり、戸籍収集だけで数か月かかることもあります。2027年3月31日から逆算すると、着手は早いほど安全です。

2027年12月31日:空き家3,000万円特別控除の適用期限

2028年3月31日:遺産分割10年ルールの経過措置期限

  • 2010年に相続開始 → 10年後は2020年で既に経過。遅い方の2028年3月31日が期限
  • 2020年に相続開始 → 10年後は2030年。遅い方の2030年が期限(2028年ではありません)
  • 2015年に相続開始 → 10年後は2025年。遅い方の2028年3月31日が期限

相続手続きの期限が過ぎたらどうなる?

期限過ぎると起きること救済ルート救済手続き自体の期限窓口
死亡届7日過料の対象(戸籍法)遅延理由書の提出特になし市区町村役場
年金・健保14日年金の過払い分は返還請求速やかに届出・返納気づき次第年金事務所・市区町村
相続放棄3か月単純承認とみなされ借金も承継①熟慮期間伸長の申立て ②起算点を後ろにずらす主張①3か月以内 ②債務を知った時から3か月家庭裁判所
準確定申告4か月無申告加算税・延滞税期限後申告(自主申告で軽減の余地)早いほど有利税務署
相続税10か月加算税・延滞税+配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例が使えない未分割申告+「申告期限後3年以内の分割見込書」申告期限後3年以内に分割税務署
遺留分侵害額請求1年権利そのものが消滅内容証明郵便での意思表示(時効完成前に限る)侵害を知った時から1年相手方
空き家特例3,000万円控除が使えないなし(期限厳守)—税務署
相続登記3年10万円以下の過料の対象相続人申告登記で義務を履行早いほど安全法務局
遺産分割10年特別受益・寄与分を主張できない家裁への遺産分割請求経過措置は2028年3月31日家庭裁判所
お金の時効(2〜5年)請求権が消滅(救済なし)なし—各請求先
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相続登記の期限超過は「即過料」ではない

相続税10か月に間に合わないときの実務手順

  1. 法定相続分で仮に按分し、特例を使わない状態で期限内に申告・納付する
  2. 申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付する(提出を忘れると後から特例を使えません)
  3. 申告期限後3年以内に遺産分割を成立させる
  4. 分割の日の翌日から4か月以内に更正の請求を行い、払い過ぎた税額の還付を受ける

相続放棄の3か月を過ぎてしまった場合

注意

起算点をずらす主張が通るかは個別の事情次第で、確実に認められるものではありません。また、相続財産を処分してしまうと単純承認とみなされる可能性があります。心当たりがある場合は、自己判断せず早めに弁護士・司法書士へご相談ください。

銀行の相続手続きに期限はありますか?

法定期限がないのに急ぐべき3つの理由

当座の資金が必要なときの上限は150万円

  • 普通預金600万円・相続人が子2名 → 600万円 × 1/3 × 1/2 = 100万円(上限内なので満額)
  • 同一銀行に1,200万円 → 1,200万円 × 1/3 × 1/2 = 計算値200万円だが、上限により150万円まで

あなたの相続登記の期限はいつ?3問チャート

  • 前 → 「2027年3月31日」と「取得を知った日から3年」の早い方が期限
  • 後 → 「取得を知った日から3年」が期限 → Q2へ
  • 終わっている → 分割成立日から3年以内に相続登記を申請
  • 必要書類:被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍・住民票、遺産分割協議書、印鑑証明書、固定資産評価証明書
  • 費用:登録免許税=固定資産税評価額×0.4%(評価額2,000万円なら8万円)
  • 終わっていない → Q3へ
  • 終わりそう → 分割成立を待って相続登記(成立日から3年以内)
  • 終わりそうにない → 相続人申告登記を先に出す
  • 法務省「相続人申告登記について」(2024)によると、令和6年4月1日開始のこの制度は、遺産分割が調わない場合でも登記官に相続人であることを申し出ることで、相続登記の申請義務を履行したものとみなされるとされています
  • 単独で申出可能・持分の記載不要・登録免許税は非課税
  • ただし権利関係を公示しないため、売却や抵当権設定には別途相続登記が必要
  • 分割成立後は、成立日から3年以内に改めて相続登記を申請する義務が発生します(二段構え)

登記が終わった人の次の宿題:2026年4月からの住所変更登記義務化

10か月期限から逆算する前工程チェックリスト

X+0〜14日:役所系の手続き

  • [ ] 死亡届の提出(7日以内)
  • [ ] 年金受給停止の手続き(14日以内)
  • [ ] 未支給年金の請求(同じ窓口で同時に)
  • [ ] 健康保険の資格喪失届(14日以内)
  • [ ] 世帯主変更届(14日以内)
  • [ ] 葬祭費・埋葬料の請求準備(領収書を保管)

X+2週〜1.5か月:戸籍の収集

  • [ ] 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を請求
  • [ ] 相続人全員の戸籍謄本を請求
  • [ ] 法定相続情報一覧図の作成を検討
注意

広域交付には制約があります。①請求できるのは本人・配偶者・直系尊属・直系卑属の分に限られ、兄弟姉妹は請求できません、②代理人請求・郵送請求は不可で窓口へ本人が出向く必要があります、③顔写真付きの本人確認書類が必要です。おじ・おばの相続や、遠方に住む相続人のケースでは依然として時間がかかります。

X+1〜2か月:財産調査

  • [ ] 不動産の洗い出し(名寄帳・固定資産税納税通知書)
  • [ ] 預貯金の残高証明書の取得
  • [ ] 有価証券・保険の確認(生命保険契約照会制度も活用)
  • [ ] 借入金・保証債務の確認(3か月の判断材料)

X+2.5か月:相続放棄の判断デッドライン

  • [ ] 債務超過かどうかを判定
  • [ ] 相続放棄・限定承認・単純承認を選択
  • [ ] 間に合わなければ熟慮期間伸長を申し立て

X+4か月:準確定申告

  • [ ] 被相続人に事業所得・不動産所得などがあったか確認
  • [ ] 該当すれば準確定申告を提出

X+7か月:遺産分割協議の合意目標

  • [ ] 相続人全員での協議
  • [ ] 遺産分割協議書の作成・押印・印鑑証明書の収集

X+10か月:相続税の申告・納付

  • [ ] 申告書の提出
  • [ ] 納付(延納・物納が必要なら申請書も同時提出)

相続の期限管理でやってはいけないNG対応

NG1:分割協議がまとまるまで何もしない

NG2:相続人申告登記だけで安心する

NG3:要らない土地を放置する

NG4:相続財産に手をつけてしまう

NG5:期限を過ぎたと思い込んで諦める

期限別・確認すべき公的情報の窓口

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預貯金・生命保険各金融機関・生命保険協会金融機関の相続窓口
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次に読むと、この記事の判断がしやすくなります。

よくある質問

相続手続きの期限が過ぎたらどうなりますか?

遺産相続手続きの期限で最も短いものは何ですか?

銀行の相続手続きに期限はありますか?

相続税の手続き期限はいつまでですか?

相続登記の3年期限に間に合わないときはどうすればよいですか?

相続放棄をすると、年金や保険金も受け取れなくなりますか?

2027年3月31日の期限とは何ですか?

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