株式の名義変更の費用は?|親の株を相続する人向け実費総額をケース別試算

親の株を相続する40〜60代向けに、株式の名義変更の費用を、ほふり開示(2026年10月から7,700円)・移管手数料・戸籍代まで含めてケース別に試算。総額が約2万8,000円になる条件と、出費を抑える段取りがわかります。

株式の名義変更の費用は?|親の株を相続する人向け実費総額をケース別試算
まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
補足

本記事の金額は、公表されている料金表をもとにした計算例です。実際の手続きで測った金額ではありません。手数料は証券会社や信託銀行ごとに違うため、手続き前に必ず各社へ確認してください。

株式の名義変更の費用はいくら?まず何をすべきか

費用の内訳は6つに分けて考える

費用項目金額の目安出典
戸籍全部事項証明書/除籍全部事項証明書1通 450円/750円高松市 広域交付案内(2024)
法定相続情報一覧図の写し無料法務局 法定相続情報証明制度
ほふりの開示請求(相続人)一覧図なし 7,700円/あり 6,050円証券保管振替機構(2026)
他社への株式移管(野村證券の例)1銘柄 1,100円〜11,000円野村證券 手数料ページ(2026)
単元未満株の買取取次(証券会社経由の例)1銘柄 1,100円SBIネオトレード証券(2025)
印鑑証明書自治体の手数料×相続人の人数各自治体
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まずやることは3つ

  1. 郵便物を集める:取引報告書、配当金計算書、株主総会の案内などです。ここで証券会社がわかれば、調査費は0円で済みます。
  2. 法務局で法定相続情報一覧図を取る:写しは無料です。ほふりを使う場合は、費用が1,650円下がります。
  3. 受け取り方を家族で決める:同じ証券会社で受け取るか、別の証券会社へ移すか、売って分けるかを決めます。

株の相続で手数料がかさむ主な原因は?

株の相続で手数料がかさむ主な原因は?

ほふり開示請求の費用は2026年10月から7,700円に

請求者改定前2026年10月1日以降
法定相続人(一覧図あり)4,950円6,050円
法定相続人(一覧図なし)6,050円7,700円
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  • 旧住所など調査対象を追加すると、2件目以降は1件1,100円を加算
  • 口座が見つからなくても費用は返らない
  • 受付から結果の送付まで約2か月
注意

開示でわかるのは、口座がある証券会社・信託銀行などの一覧です。銘柄名や保有残高、非上場株式、外国株式はわからないとされています。

別の証券会社へ移すと移管手数料がかかる

  • 20単元未満:基本料金550円+1単元あたり550円(最低1,100円)
  • 20単元以上:1銘柄 一律11,000円
補足

相続に伴う移管にこの料金表がそのまま使われるかは、資料では確認できていません。手続き前に、親の口座がある証券会社へ確認してください。

戸籍・除籍の取り寄せ代

単元未満株と特別口座の『出口』の費用

親の株はどこにある?費用ルートの見分け方

費用ルート診断(4つの質問)

  1. Q1 取引報告書や残高のお知らせで、証券会社がわかりますか?
  • はい → 証券会社ルート。相続手続きそのものの手数料は、基本0円とされています。
  • いいえ → Q2へ
  1. Q2 配当金計算書だけが届いている、または株券電子化(2009年1月5日)より前から株を持っていましたか?
  • はい → 特別口座ルート。信託銀行の証券代行部へ郵送で手続きします。単元未満株は買取請求も検討します。
  • いいえ・わからない → Q3へ
  1. Q3 手がかりがまったくない場合
  • ほふり開示ルート。先に一覧図を取れば6,050円、取らなければ7,700円です。結果まで約2か月かかります。
  1. Q4 同族会社など、上場していない会社の株ですか?
  • はい → 発行会社ルート。会社へ名義書換を請求します。ほふりでは調べられません。

ルートごとの費用と期間の目安

ルート手続き先想定実費(戸籍代を除く)期間の目安
証券会社親の口座がある証券会社0円〜(他社へ移すなら銘柄ごとに加算)各社の処理期間(要確認)
特別口座株主名簿管理人の信託銀行0円〜(買取請求は会社により無料/有料)各社の処理期間(要確認)
ほふり開示→判明した会社ほふり、その後に証券会社など6,050円〜(旧住所1件ごとに+1,100円)開示だけで約2か月+各社の処理
非上場発行会社会社ごとに異なる会社ごとに異なる
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注意

非上場株は、定款で譲渡制限や相続人への売渡請求が決められていることがあります。会社から株の売り渡しを求められる場合もあるので、早めに定款を確認してください。

具体的な解決方法:自分でやる場合の実費総額は?

計算の前提

  • 戸籍:除籍3通(750円×3)+戸籍2通(450円×2)=3,150円
  • 印鑑証明:自治体の手数料×相続人の人数(自治体で異なるため、合計には含めていません)
  • ほふり:一覧図あり6,050円+旧住所1件の加算1,100円=7,150円
  • 移管:野村證券の料金表を使い、3銘柄・各10単元を他社へ移す
  • 単元未満株:なしとする

実費総額の計算表

費用項目A:ほふり不要(証券会社が判明済み)B:ほふり必要・同じ証券会社で受け取りC:ほふり必要・別の証券会社へ3銘柄移管
戸籍・除籍3,150円3,150円3,150円
法定相続情報一覧図0円0円0円
ほふり開示0円7,150円7,150円
移管手数料0円0円18,150円
単元未満株の買取取次0円0円0円
合計3,150円10,300円28,450円
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注意

一覧図を取らずにほふりへ請求すると、BとCはそれぞれ1,650円高くなります(7,700円−6,050円)。また20単元以上の銘柄は1銘柄11,000円なので、大きな銘柄が多いと、総額は試算より大きく増えます。

自分で進める手順

  1. 郵便物や通帳で、証券会社や配当金の入金元を探す
  2. 戸籍を集める(2024年3月1日から、本籍地以外の窓口でもまとめて請求できる広域交付が始まりました。コンピュータ化されていない戸籍などは対象外です)
  3. 法務局で法定相続情報一覧図の写しを取る(無料)
  4. 必要なら、ほふりへ開示請求する(約2か月)
  5. 遺産分割協議書を作り、相続人全員の印鑑証明を用意する
  6. 証券会社・信託銀行へ相続手続きの書類を出す
補足

法務局は、一覧図の写しが株式の手続きに使えるとは明記していません。証券会社の相続届で戸籍一式の代わりになるかは、提出先に確認してください。

ケース別の対処:受け取り方で費用はどう変わる?

受け取り方で変わる費用の比較表

受け取り方相続手続き手数料移管・取次手数料の例売却時の売買手数料期間の目安取得費の引継ぎ向いている人
①同じ証券会社に口座を開いて受け取る0円〜少額とされるなし売るときに発生各社の処理期間(要確認)要確認銘柄が多く、金額が大きい
②相続人が持つ別の証券会社へ移管0円〜少額とされる1銘柄1,100円〜11,000円(野村證券の例)売るときに発生①+移管の期間要確認(移管先へ取得価額が伝わるか)銘柄が少なく、使い慣れた口座にまとめたい
③相続後すぐ売って現金で分ける0円〜少額とされるなし発生(各社の手数料表)受け取り後に売却要確認(譲渡益の計算に使う)分けやすさを優先したい
④特別口座から証券口座へ振替信託銀行に確認信託銀行・証券会社に確認売るときに発生郵送手続き(要確認)要確認株券電子化前からの株がある
⑤単元未満株を買取請求で換金信託銀行に確認発行会社により無料/有料。証券会社経由は1,100円の例なし(市場で売らない)相続手続きと同時に申請できる場合あり要確認端株だけが残っている
確認欄:未受領配当金除斥期間は定款で3〜5年が一般的株主名簿管理人に確認ーーー全員
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証券口座の相続で移管手数料がかかるケース

特別口座の相続手数料と手続き先

単元未満株の相続は買取請求で換金できる

非上場株(同族会社)の場合

注意

未受領配当金は、定款で支払開始日から3年または5年を過ぎると受け取れなくなるのが一般的です。親あての配当金計算書が出てきたら、早めに株主名簿管理人へ連絡しましょう。

次の相続で家族が困らないための予防のコツ

元気なうちにやっておきたい4つのこと

  1. 口座一覧を作る:証券会社名、支店、特別口座の有無をメモし、置き場所を家族に伝えます。
  2. 証券会社をまとめる:口座が多いほど、手続きの数も移管の可能性も増えます。
  3. 特別口座の株を証券口座へ移す:本人が元気なうちなら、相続後の郵送手続きを減らせます。
  4. 取得価額を記録する:取得費を引き継ぐときの手がかりになります。

一覧図は5年間、再交付を受けられる

専門家・公的情報の見解

公的機関が示しているポイント

証券保管振替機構の手続案内(2026年10月版)では、相続人の開示費用は1件7,700円、法定相続情報一覧図のコピーを出すと6,050円で、該当がなくても費用はかかると案内されています。

法務局の法定相続情報証明制度では、戸除籍謄本の束の代わりに使える一覧図の写しを無料で交付しています(神戸地方法務局 案内 2024)。

専門家に相談したほうがよいケース

  • 非上場株がある(株価の評価や定款の確認が必要)
  • 相続人が多い、または遺産分割の話し合いがまとまらない
  • 相続税の申告が必要になりそう(申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月)
注意

ほふりの調査だけで約2か月かかります。相続税の申告が必要な場合は、10か月の期限から逆算して、早めに動き始めてください。

やってはいけないNG対応

よくある5つの失敗

  1. 親あての郵便物を整理の途中で捨てる:証券会社の手がかりがなくなり、ほふりの費用と約2か月の待ち時間が増えます。
  2. 一覧図を取らずにほふりへ請求する:一覧図は無料なのに、費用が1,650円高くなります。急ぐ事情がある場合だけ、比べて判断しましょう。
  3. 銘柄の数を見ずに別の証券会社へ移す:野村證券の例では1銘柄最大11,000円かかります。銘柄が多いと数万円になります。
  4. 健康保険証を本人確認書類にする:ほふりの案内では有効期限を最長2025年12月1日までとしています。書類の出し直しにつながります。
  5. 配当金計算書を放置する:定款で3〜5年を過ぎると、配当金を受け取れなくなるのが一般的です。
注意

遺産分割がまとまる前に、一部の相続人だけで売却や移管を進めようとするのは避けてください。トラブルのもとになるため、迷ったら専門家に相談しましょう。

まとめ:今日から始める3つのこと

よくある質問

Q1. ほふりの開示請求の費用はいくらですか?

Q2. 特別口座の相続に手数料はかかりますか?

Q3. 単元未満株は相続のときに買取請求できますか?

Q4. 証券口座の相続で移管手数料はいくらですか?

Q5. 株式の名義変更に期限はありますか?

  • 証券保管振替機構『【相続人用】登録済加入者情報の開示請求に係るお手続について』2026年10月版 https://www.jasdec.com/assets/download/ds/certificate/kaiji/otetsuzuki2.pdf
  • 証券保管振替機構 お知らせ(2026年6月30日) https://www.jasdec.com/assets/download/news/20260630_tsuuchi_HP.pdf
  • 法務局『法定相続情報証明制度について』 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html
  • 神戸地方法務局 法定相続情報証明制度案内(2024) https://houmukyoku.moj.go.jp/kobe/content/001354476.pdf
  • 三菱UFJ信託銀行 証券代行部『株式等の相続手続のご案内』 https://www.tr.mufg.jp/new_assets/daikou/pdf/souzoku_tetsuzuki_goannai.pdf
  • 三井住友信託銀行 証券代行部『株式等の相続手続きのご案内』 https://smttas-souzoku.idgr.jp/assets/pdf/PDF1.pdf
  • 野村證券『手数料・その他費用』 https://www.nomura.co.jp/solution/financial-assets/service/commission/
  • SBIネオトレード証券『単元未満株式買取請求手続きについて』 https://www.sbineotrade.jp/pdf/document/hakabukaitoriseikyu.pdf
  • 高松市『戸籍証明書等の広域交付』 https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/smph/kurashi/kurashi/shomei/news/kouikikouhu.html

最終確認日:2026年11月8日

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