まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
- 照会の回答が満了日に間に合うかで、申し立てるかを決める方法
- 満了日から逆算した申立ての日程と費用
- 申立書の「理由」に書く内容
- 家族で放棄するときに、期限を人ごとに管理する方法
注意
申し立てても、必ず延びるとは限りません。満了日まで2週間を切っている方は、すぐに司法書士か弁護士へ相談してください。
伸長の申立てで決まっていること・決まっていないこと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申し立てられる人 | 利害関係人(相続人を含む)、検察官 |
| 申立ての期限 | 自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内 |
| 申立先 | 亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所 |
| 費用 | 相続人1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手(金額は提出先の家庭裁判所に確認) |
| 主な書類 | 申立書、亡くなった人の住民票除票か戸籍附票、伸長を求める相続人の戸籍謄本(相続順位によって追加あり) |
出典:裁判所『相続の承認又は放棄の期間の伸長』(2026年10月31日確認)
申し立てるか迷ったら:照会の回答が満了日に間に合うか

| 照会先 | 請求できる人 | 費用 | 回答までの日数 |
|---|---|---|---|
| JICC(消費者金融など) | 法定相続人、二親等以内の血族 | 2,177円(速達は2,511円) | 申込書類の到着後7〜10日 |
| CIC(クレジット・信販) | 法定相続人のみ | 定額小為替1,500円(発行手数料は別)、開示利用券なら1,650円 | 法定相続情報一覧図を送ると10日ほど、戸籍謄抄本などを送ると20日ほど |
| 全国銀行個人信用情報センター(銀行ローン) | 法定相続人とその法定代理人 | 利用券2,403円 | 日数の明示なし。申込が増えていて通常より日数がかかると案内 |
| 法務局(所有不動産記録証明) | 登記名義人の相続人など | 書面1,600円、オンライン請求で郵送受取1,500円、窓口受取1,470円 | 登記所ごとに違い、2週間程度かかる場合があると案内 |
出典:JICC『二親等以内の血族 法定相続人等による開示』、CIC『郵送で開示する』、全国銀行個人信用情報センター『郵送による開示手続』、法務省『所有不動産記録証明制度について』(いずれも2026年10月31日確認)
| 状況 | 次の行動 |
|---|---|
| 回答がそろい、借金が財産より明らかに多い | 伸長せず、放棄を申述する |
| 回答がそろい、借金が見当たらない | 伸長は不要。相続税がかかるかは税理士に確認する |
| 満了日の2週間前までに回答がそろわない | 伸長を申し立てる |
| 連帯保証や個人どうしの借金など、照会に出ない債務が疑われる | 伸長を申し立て、郵便物や契約書を確認する期間を確保する |
| ほかの相続人と連絡が取れず、限定承認を考えている | 伸長を申し立てる(限定承認は共同相続人の全員でしかできません。民法923条) |
満了日から逆算する申立ての日程と費用
| 項目 | 計算のしかた | 例 | あなたの日付 |
|---|---|---|---|
| ① 熟慮期間の満了日 | D+3か月(知った当日は数えない) | 2027年2月10日(水) | |
| ② 信用情報の開示請求を発送 | D+14日まで | 2026年11月24日(火) | |
| ③ 所有不動産記録証明を請求 | D+21日まで | 2026年12月1日(火) | |
| ④ 預金の残高証明を依頼 | D+30日まで | 2026年12月10日(木) | |
| ⑤ 伸長申立ての準備締切 | ①の2〜3週間前 | 2027年1月20日(水)〜27日(水) | |
| ⑥ 伸長後の新しい満了日 | 審判書に書かれた日 | 審判書から書き写す |
- 知った当日は数えません(民法140条)。
- ②〜⑤は、回答日数と書類の手直しを見込んだ編集部の目安で、法律上の期限ではありません。
- この例では期間中に年末年始が入るので、照会は12月中旬までに出し終えましょう。
- 起算日がきょうだいで違う場合は、人数分の行を作ってください。
| 内訳 | 1人が伸長する場合 | きょうだい3人が伸長する場合 |
|---|---|---|
| 伸長の印紙(1人800円) | 800円 | 2,400円 |
| 信用情報3機関(JICC2,177円、CIC1,500円、全国銀行個人信用情報センター2,403円) | 6,080円 | 6,080円 |
| 所有不動産記録証明(書面) | 1,600円 | 1,600円 |
| 合計 | 8,480円 | 10,080円 |
- 申立書、住民票除票か戸籍附票、伸長を求める人の戸籍謄本をそろえる
- 裁判所のサイトにある書式で申立書を書く
- 切手の金額を提出先の家庭裁判所に確認し、印紙と切手を用意する
- 郵送か窓口で提出する
- 審判書が届いたら、新しい満了日を表の⑥に書き写す
申立書の「理由」に書く3つのこと
家族で放棄するとき:伸長は人ごとに管理する
| だれ | 熟慮期間が始まる時 |
|---|---|
| 亡くなった人の親や祖父母(第2順位) | 子が全員放棄して、自分が相続人になったと知った時 |
| 亡くなった人のきょうだい(第3順位) | 第2順位の人が全員いないか放棄して、自分が相続人になったと知った時 |
伸長中も止めておく行為
- 亡くなった人の口座からお金を引き出す
- 家財、貴金属、車を売る・捨てる・名義を変える
- 遺産分割協議書に署名する、実家の名義を変える
- 亡くなった人が受け取るはずのお金(家賃など)を取り立てる
満了日を過ぎた・伸長が認められなかった場合
- 裁判所『相続の承認又は放棄の期間の伸長』https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_25/index.html
- e-Gov法令検索『民法』(140条、915条、921条、923条、940条)https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- JICC『二親等以内の血族 法定相続人等による開示』https://www.jicc.co.jp/kaiji/31
- CIC『郵送で開示する』https://www.cic.co.jp/mydata/mailing/index.html
- 全国銀行個人信用情報センター『郵送による開示手続』https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/mail/
- 法務省『所有不動産記録証明制度について』https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00740.html
- 旭川地方法務局『所有不動産記録証明制度が令和8年2月2日から運用開始』https://houmukyoku.moj.go.jp/asahikawa/page000001_00531.html
- 最高裁令和元年8月9日判決 https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-88855.pdf
- 最高裁昭和59年4月27日判決(昭和57年(オ)第82号)https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52168
※この記事は一般的な情報の提供を目的としています。個別の事案は、司法書士・弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。
最終確認日:2026年10月31日




