数次相続の相続登記|祖母と父の共有・相続人1人の場合と免税期限後の税額

祖父名義のまま父も亡くなった実家の相続登記を、祖母と父の共有で確定している家や相続人が子1人になった家など、状況別に判定しました。2027年3月31日までの免税措置が終わった場合に、登録免許税がいくら増えるかも試算しています。

数次相続の相続登記|祖母と父の共有・相続人1人の場合と免税期限後の税額
まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
  • 祖母と父の共有で確定している家は、中間省略ができないため2件になる
  • 相続人が子1人になった家は、母の生前に分け方の合意があったかどうかで、1件か2件かが分かれる
  • 免税措置が延長されるかどうかは、2026年10月7日の時点では確認できていない
注意

登記のルートや税額は、家族の事情によって変わります。申請の前に、司法書士か法務局の手続案内で確認してください。

家族の状況別の登記ルート早見表

家族の状況登記ルート件数中間の土地の免税(第1項)
父が単独で取得した(相続人が父だけ/遺言/協議)祖父から子へ直接(中間省略)1件対象外
上と同じだが、父の名義を経由する祖父→父→子2件祖父→父の土地が対象
祖母と父の共有で取得している祖父→祖母・父→子原則2件父の持分の土地だけが対象
相続人が子1人で、母の生前に分け方の合意があった遺産分割協議証明書で父から子へ1件該当しない
相続人が子1人で、合意がなかった法定相続分で父→母・子、続けて母→子2件母の持分の土地が対象になると考えられる(要確認)
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父が1人で取得したと示す書類:中間省略の条件

父が1人で取得したと示す書類:中間省略の条件
  • 相続人がもともと父だけ:祖父の出生から死亡までの戸籍で、ほかに相続人がいないことを示す
  • 遺言で父が取得した:遺言書の該当部分を示す
  • 協議で父が取得すると決めた:父が亡くなったあとでも、父の相続人が父の立場で協議に加わり、協議書を作れる

父が単独で相続した家の税額:免税措置が終わると2件のルートだけ上がる

  • 祖父名義の土地(固定資産税評価額1,500万円)と建物(300万円)
  • 父が単独で相続し、登記をしないまま亡くなった
  • 子2人が相続する
  • 税率は評価額の0.4%
登記1件(中間省略)2件(期限内に申請)2件(免税措置が終わった場合)
祖父→父 土地―0円(第1項)6万円
祖父→父 建物―1.2万円1.2万円
子への登記 土地6万円6万円6万円
子への登記 建物1.2万円1.2万円1.2万円
合計7.2万円8.4万円14.4万円
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注意

試算に含めているのは登録免許税だけです。戸籍の取得費用と司法書士の報酬は含めていません。

祖母と父の共有で確定している場合:持分ごとに免税を分ける

登記期限内に申請免税措置が終わった場合
1件目 祖父→祖母・父 土地3万円(父の持分の3万円は第1項で免税)6万円
1件目 祖父→祖母・父 建物1.2万円1.2万円
2件目 父の持分→子 土地3万円3万円
2件目 父の持分→子 建物0.6万円0.6万円
合計7.8万円10.8万円
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相続人が自分1人になった場合:母の生前の合意を確かめる手順

  1. 母の生前に「子が取得する」と合意していたかを確かめる。合意を示すメモ、メール、手紙などが残っていないか探す
  2. 合意があった場合は、子が遺産分割協議証明書を作り、印鑑証明書を添えて、父から子へ1件で登記する(平成28年3月2日付け 法務省民事第二課長通知)。この証明書は、生前に合意があったという事実を子が証明するための書類です。合意がなかったのに作ると、事実と違う書類になってしまう
  3. 合意がなかった場合は、子が1人で作った書面は登記原因証明情報として認められない(東京高裁 平成26年9月30日判決)。父から母・子への法定相続分の登記と、母から子への登記の2件で申請する
  4. 2件で申請する場合、1件目のうち母の持分の土地は、母が登記の前に亡くなっているため、第1項の対象になると考えられる。申請先の法務局に事前に確認する

期限までに協議がまとまらないとき:相続人申告登記で守れるもの

項目相続人申告登記で対応できるか
申し出た人の登記義務できる(登録免許税はかからない)
ほかの相続人の登記義務できない(各自が申し出る)
中間の土地の免税できない(所有権を移す登記ではない)
売却や抵当権の設定できない(別に相続登記が必要)
遺産分割に基づく登記の義務できない(分割の日から3年以内に相続登記が必要。法務省Q&A)
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  • 祖父の出生から死亡までのすべての戸籍
  • 父の出生から死亡までのすべての戸籍
  • 申し出る人の現在の戸籍
  • 法務省 相続登記の申請義務化に関するQ&A https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html
  • 法務省 相続人申告登記について https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00602.html
  • 法務局 相続登記の登録免許税の免税措置について https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000017.html
  • 数次相続の中間省略の先例(昭和30年12月16日 民事甲第2670号、平成29年3月30日 民二第236号)の解説 https://office-ochiishi.com/real-property-registration/souzokutouki/927/
  • 遺産分割協議の後に相続人が1人となった場合の通知(平成28年3月2日)と東京高裁平成26年9月30日判決の解説 https://shihou-shoshi.com/blog/%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3/%E7%99%BB%E8%A8%98/%E5%85%88%E4%BE%8B/%E9%81%BA%E7%94%A3%E5%88%86%E5%89%B2%E5%8D%94%E8%AD%B0%E5%BE%8C%E3%81%AB%E4%BB%96%E3%81%AE%E7%9B%B8%E7%B6%9A%E4%BA%BA%E3%81%8C%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E3%81%97%EF%BC%91%E4%BA%BA%E3%81%AB/

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