マイホーム借上げ制度で相続した実家は貸せる?まず何をすべきか
マイホーム借上げ制度とはどんな仕組み?
最初にやる3つのステップ
- 名義を確認する:遺産分割が終わっていないなら、まず分割協議と相続登記を済ませます。共有名義なら、共有者全員の承諾が必要です(JTI ご利用ガイド 2026年)。
- 建築年を確認する:登記事項証明書や確認済証で、1981年5月31日以前かどうかを見ます。
- 売った場合の手残りをつかむ:不動産会社の査定額と、空き家特例が使えるかを確認します。
相続した実家を貸すか売るかで迷う主な原因
空き家の3,000万円控除は賃貸すると使えない?
- 1981年5月31日以前に建てられた家屋であること
- 相続の時から売る時まで、貸付などに使われていないこと
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 売却額が1億円以下であること
注意一度でも貸すと、あとで売るときに特例を使えなくなる可能性があります。使えるかどうかは、税理士か税務署に確認してから動いてください。
共有名義と遺産分割前の実家
旧耐震の実家の修繕費
原因別の見分け方|相続実家の出口診断チャート
5問で分かる出口診断チャート
- はい → Q2へ
- いいえ → Q3へ(空き家特例の対象外なので、貸しても失う特例はありません)
- はい → 【売却を先に検討】貸すと特例は使えなくなります
- いいえ → Q3へ
- いいえ → Q4へ
- はい → 共有者全員の承諾が取れるなら Q4へ。取れないなら【売却】か【空き家バンク・解体】を話し合います
- いいえ → 【空き家バンク・解体】
- はい → Q5へ
- はい → 【JTI借上げ】または【一般の管理委託】。長く任せて空室リスクを減らしたいならJTI、家賃の水準を重視するなら一般管理が向いています
- いいえ → 【JTI借上げ+初回増額家賃(50〜180万円)】を検討します
チャートを使うときの注意
補足チャートは考え方を整理するためのものです。最終的な判断は、税理士や不動産会社の個別の試算で確かめてください。
具体的な解決方法|JTI借上げの手取り試算と出口比較
手取りと回収年数の計算表
- 入居中の手取り(年)=査定賃料×0.85×12
- 空室時の受取(年)=保証賃料×12
- 年間の純収入=手取り−固定資産税−火災保険
- 回収年数=初期費用÷年間の純収入
| 項目 | 入居中 | 空室時(仮定) |
|---|
| 月額賃料 | 8万円(査定額) | 5.5万円(仮定の保証額) |
| 年間の受取 | 81.6万円 | 66万円 |
| 固定資産税 | 10万円 | 10万円 |
| 火災保険 | 3万円 | 3万円 |
| 年間の純収入 | 68.6万円 | 53万円 |
| 初期費用 | 150万円 | 150万円 |
| 回収年数 | 約2.2年 | 約2.8年 |
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注意「×0.85」(控除約15%)は、民間の解説記事や協賛会社の資料にもとづく数字で、JTI公式での数値は確認できていません。空室時の保証額も仮定です。不動産所得にかかる税金は計算に入れていません。また、1人目の入居者が決まるまで受取はゼロです。
売却した場合と横に並べて比べる
| 比較 | 売却(特例あり) | 売却(特例なし) | JTI借上げ |
|---|
| 税額(概算) | 0円(申告は必要) | 約277万円 | 不動産所得として別に課税 |
| 手残り | 約1,440万円 | 約1,163万円 | 年68.6万円(入居中) |
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出口4つの比較表
| 比較項目 | JTI借上げ | 一般の賃貸管理委託 | 売却(空き家特例あり) | 空き家のまま維持 |
|---|
| 手取り水準 | 相場より低め、控除約15%※1 | 相場並みから管理手数料を差し引く | 売却代金を一括で受け取る | なし(支出だけ) |
| 空室リスク | 1人目入居後は保証あり※2 | 空室中は収入ゼロ | なし | ― |
| 入居者対応 | JTIが担う※2 | 管理会社(判断は貸主) | なし | 自分で見回り |
| 初期費用 | 申込18,700円+診断・補強・保険※3 | リフォーム・募集費用 | 仲介手数料など | 固定資産税・保険が続く |
| 契約期間 | 原則終身、転貸は3年定期借家※2 | 契約しだい(普通借家だと戻りにくい) | ― | ― |
| 3,000万円控除 | 使えなくなる※4 | 使えなくなる※4 | 要件を満たせば使える※4 | 期限内に売れば使える可能性※4 |
| 共有名義 | 全員の承諾が必要※3 | 期間などで必要な同意が変わる | 全員の合意が必要 | 費用の分担で揉めやすい |
| 遠方からの手続き | 代理人制度(2026年2月開始)※5 | 管理会社に任せる | 仲介会社に任せる | 見回りが負担 |
| 相続が再び起きたとき | 約款で確認、死亡時精算特約を新設※6 | 相続人が貸主を引き継ぐ | ― | 共有者が増えやすい |
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出典:※1 民間解説記事・協賛会社資料(JTI公式では未確認) ※2 JTI マイホーム借上げ制度のあらまし(2026年) ※3 JTI ご利用ガイド(2026年) ※4 国税庁 タックスアンサーNo.3306 ※5 JTI 利用者サポートオプション(2026年) ※6 JTI 約款改定のお知らせ(2026年)
申込までのおおまかな流れ
- 遺産分割と相続登記で名義を確定する
- JTIの協賛事業者に相談し、賃料の目安を聞く
- 申込手続きをする(手数料18,700円)
- 建物診断を受け、必要なら耐震補強や修繕をする
- 賃料が決まったら契約し、入居者の募集が始まる
- 1人目の入居者が決まってから賃料の支払いが始まる
ケース別の対処|遠方・兄弟共有・親が施設入居中
実家が遠方にある場合
- 予約申込制度
- 指定代理人・専任代理人制度
- 初回増額家賃制度(50〜180万円の範囲で初回の家賃を増やす)
- おまかせ修繕制度
- 修繕等費用の死亡時精算特約
- 家賃償還時の最低家賃保証
兄弟で共有している場合
親が施設に入居中の場合(相続前)
注意親の施設入居後に貸すと、相続後に空き家特例が使えなくなる可能性があります。また、親の判断能力が落ちていると、契約そのものが難しくなることがあります。早めに家族で話し合いましょう。
修繕費を用意できない場合
予防・再発防止のコツ|実家問題をこじらせない準備
共有名義をなるべく避ける
書類と契約内容を家族で共有する
- 登記事項証明書と、建築年が分かる書類
- 固定資産税の納税通知書
- JTIとの契約書と、利用しているサポートオプション
- 修繕や耐震補強の記録
放置しないことが最大の予防
専門家・公的情報の見解|移住・住みかえ支援機構と国の位置づけ
JTIが公表している実績
JTIのあらまし(2026年)によると、10年以上利用した人の平均総手取家賃は1,000万円を超えています。対象住宅は築30年以上が6割超で、首都圏が48%を占めています。
国と自治体の案内
- 国土交通省:事業者向けに「JTI借上げ制度の活用」の解説資料を出しています
- 神戸市:市のサイトでマイホーム借上げ制度を案内しています
- 埼玉県:県内の住宅に限り、50歳以上という年齢要件をなくしています(2023年)
税と登記は専門家に確認を
補足制度の内容は改定されることがあります。申し込む前に、JTIの公式サイトで最新の約款を確認してください。
やってはいけないNG対応
NG1:特例を確認する前に貸す
NG2:共有者の同意を取らずに進める
NG3:1人目の入居前から家賃をあてにする
注意「必ず得をする」という売り込みには気をつけてください。賃料は相場より低くなりやすく、条件しだいで売却のほうが手残りが多いこともあります。
まとめ|次にやること
よくある質問
マイホーム借上げ制度のデメリットは?
50歳未満でも相続した実家なら使える?
貸したあとで売ることはできる?
空き家の3000万円控除と賃貸は両立できる?
申込にかかる費用はいくら?
注意この記事は一般的な情報の整理で、個別の税務・法律の助言ではありません。実際の判断は、税理士・司法書士や移住・住みかえ支援機構に最新の情報を確認してください。
※本記事の最終確認日:2026年9月28日
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