まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
結論:デジタル遺産の相続は5つのステップで進める
| ステップ | やること | 目安時期 |
|---|---|---|
| ①調査 | スマホ・PC・郵便物から手がかりを集める | 死後1〜2か月 |
| ②一覧化 | デジタル遺産の財産目録を作る | 〜3か月 |
| ③評価 | 残高証明書などで金額を確定する | 〜4か月 |
| ④遺産分割 | 遺産分割協議書に記載する | 〜6か月 |
| ⑤手続き | 各サービスで相続・解約を行う | 〜10か月 |
そもそもデジタル遺産とは何ですか?

相続の対象になる主なデジタル遺産
- ネット銀行の預金(住信SBIネット銀行、楽天銀行など)
- ネット証券の株式・投資信託(SBI証券、楽天証券など)
- 暗号資産(ビットコインなど)
- FX口座・CFD口座の残高
- 電子マネー・スマホ決済の残高(払い戻しの可否は各社の規約によります)
- 航空会社のマイル(ANA・JALは規約上、相続の手続きが可能とされています)
相続の対象にならないとされるもの
なぜ今、デジタル遺産が問題になるのか
補足
「デジタル遺産」に法律上の明確な定義はまだなく、専門家によって「デジタル遺品」「デジタル資産」と呼び方が分かれています。本記事では、金銭的価値の有無を問わず故人が残したデジタルデータ全般を広く指す言葉として使います。
始める前の準備・必要なもの
- 相続関係の書類: 故人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍・印鑑証明書、(あれば)遺言書。ネット銀行・証券の相続でも紙の銀行と同様に必要です。
- 故人のスマホ・パソコン: 最大の手がかりです。絶対に初期化しないでください。
- 紙の郵便物: 証券会社の取引残高報告書、税務署からのお知らせ、カード明細など。ネット専業の金融機関でも、重要書類は郵送されることがあります。
- 通帳・クレジットカード明細: サブスクの引き落としや証券口座への入出金の痕跡が見つかります。
- 確定申告書の控え: 故人が申告していた場合、口座や資産の所在が分かります。
注意
携帯電話を「月額料金がもったいないから」とすぐ解約すると、各サービスのSMS認証(本人確認コードの受信)ができなくなり、調査が極端に難しくなります。調査が終わるまでは回線の維持を検討してください。
デジタル遺産を相続する手順を順番に詳しく解説
ステップ1:端末と郵便物からデジタル遺産を洗い出す
- スマホのホーム画面のアプリ(銀行・証券・決済・暗号資産)を確認する
- メールを「口座」「残高」「取引報告書」「ログイン」などのキーワードで検索する
- 郵便物を1年分確認する(取引残高報告書は年1回以上郵送されることが多いため)
- 通帳・カード明細の引き落とし履歴からサブスクや証券への振替を洗い出す
ステップ2:財産目録(デジタル遺産一覧)を作る
ステップ3:残高証明書を取り寄せて評価する
ステップ4:遺産分割協議書に記載する
ステップ5:各サービスで相続・解約手続きを行う
パスワードが分からないときはどうすればいいですか?
スマホのロックが解けない場合
| サービス | 制度 | 概要 |
|---|---|---|
| Apple | 故人アカウント(デジタル遺産プログラム) | 生前に「遺産管理連絡先」を設定していれば、アクセスキーと死亡証明書でデータにアクセス可能 |
| Apple(生前設定なし) | 裁判所の命令等による申請 | ハードルが高く時間もかかるとされています |
| アカウント無効化管理ツール | 生前設定があれば指定者にデータ共有。設定がない場合は遺族の申請による個別審査 |
どこに口座があるか分からない場合
暗号資産の秘密鍵・ログイン情報が分からない場合
効率化・応用のコツ(親が元気なうちの生前対策)
親と一緒にやっておきたい3つのこと
- サービスの棚卸し: ネット銀行・証券・暗号資産・サブスクを一覧にする(金額まで書く必要はありません)
- 所在リストの作成: 「どこに何があるか」だけを紙に書き、保管場所を家族で共有する
- スマホの緊急時設定: AppleとGoogleの故人向け制度を生前に設定しておく(いずれも無料で、所要10分程度です)
パスワードの残し方の注意点
遺言書とエンディングノートの使い分け
補足
公正証書遺言にする場合、財産目録にネット口座を記載しておけば、相続人が公証役場経由で確実に把握できます。デジタル遺産が多い方ほど、遺言作成時に司法書士や公証人へ相談する価値が高いといえます。
デジタル遺産に相続税はかかりますか?(注意点・リスク)
暗号資産はパスワード不明でも課税対象とされている
申告漏れのリスク
「負のデジタル遺産」と相続放棄の関係
注意
税制・法制度は改正される可能性があります。本記事は一般的な情報の整理であり、個別の税額計算や法的判断は、税理士(税務申告)・司法書士(名義変更・相続登記)・弁護士(相続争い)への相談をおすすめします。初回相談を無料とする事務所も多くあります。




