遺言執行者とは?いないとどうなる?|親の相続で知るべき報酬と選び方
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遺言執行者とは?いないとどうなる?|親の相続で知るべき報酬と選び方

まな先生解説
こころ質問
すい要点整理

結論:遺言執行者とは「遺言の内容を実現する人」です

遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。(民法第1012条第1項)

  • 相続財産の調査と財産目録の作成・相続人への交付
  • 預貯金の解約・払い戻し、株式などの名義変更
  • 不動産の登記手続き(遺贈による所有権移転登記など)
  • 遺言による認知の届出、推定相続人の廃除・取消しの申立て

仕組みをもう少し詳しく:就任後の義務と権限

仕組みをもう少し詳しく:就任後の義務と権限
  1. 任務を開始したら、遅滞なく遺言の内容を相続人に通知する(民法第1007条第2項)
  2. 相続財産の目録を作成し、相続人に交付する(民法第1011条)
  3. 善良な管理者の注意をもって任務を処理する(委任の規定の準用)
補足

2019年の相続法改正で、遺言執行者の位置づけは「相続人の代理人」から「遺言の内容を実現する独立の立場」へと条文上明確になりました。改正前の古い情報と混同しないよう注意が必要です。

なぜ重要なのか・背景

注意

遺言書に認知や相続人の廃除が含まれる場合、遺言執行者がいなければ手続き自体を進められません。指定がないときは、家庭裁判所へ選任の申立てが必要になります。

種類・分類:遺言執行者の決まり方は3パターン

決まり方根拠内容
遺言による指定民法第1006条遺言書の中で特定の人を執行者として指定する
指定の委託民法第1006条執行者を決める役割を第三者に委ねる
家庭裁判所による選任民法第1010条執行者がいない・亡くなったとき、利害関係人の申立てで選任
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  • 親族・相続人:費用を抑えられる一方、事務負担が重く、利害対立が起きやすい
  • 専門家(司法書士・弁護士・税理士など):報酬はかかるが、手続きの確実性が高い
  • 信託銀行など法人:報酬は高めだが、遺言書の保管から執行まで一括して任せられる

メリットを詳しく

  • 手続きの一元化・迅速化:預貯金の解約や名義変更を執行者が単独で進められるため、全員の書類集めによる停滞を避けられます。
  • 財産の使い込み・妨害の防止:執行者がいる間、相続人が勝手に財産を処分しても原則無効を主張できます(民法第1013条)。
  • 相続人間の心理的負担の軽減:第三者が執行者になれば、特定の相続人が「言い出しにくい役回り」を引き受けずに済みます。
  • 執行者にしかできない手続きへの対応:認知や相続人の廃除を含む遺言を確実に実現できます。

デメリット・注意点

依頼先報酬の目安(一般的な水準とされる例)
司法書士・行政書士財産額の0.5〜1%程度、最低20万〜30万円程度
弁護士財産額の1〜3%程度、最低30万円程度
信託銀行最低100万円程度から
親族・相続人無報酬〜遺言で定めた額
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  • 解任は簡単ではない:任務を怠ったなどの正当な事由と、家庭裁判所への請求が必要です(民法第1019条)。
  • 指定した人が先に亡くなる・辞退するリスク:指定された人は就任を承諾する義務がないため、遺言に予備の執行者を定めておく実務対応が有効とされています。
注意

上記の報酬はあくまで目安であり、事務所や金融機関によって大きく異なります。契約前に必ず見積もりを取り、報酬規程を書面で確認してください。

具体例・ケースで理解する

補足

遺言執行者選任の申立て先は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。費用は遺言書1通につき収入印紙800円と連絡用の郵便切手とされています(裁判所の公表情報)。

始め方・使い方:指定する手順と選任してもらう手順

  1. 財産の棚卸しをする(不動産・預貯金・有価証券・負債)
  2. 遺言の方式を選ぶ(確実性を重視するなら公正証書遺言が一般的とされています。自筆証書遺言なら2020年7月開始の法務局保管制度の利用を検討)
  3. 遺言執行者を決め、本人の承諾を事前に得る
  4. 予備の遺言執行者と報酬の定めも遺言に記載する
  1. 遺言書を確認する(法務局保管・公正証書以外の自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要です)
  2. 亡くなった方の戸籍謄本など必要書類を集める
  3. 最後の住所地の家庭裁判所に、利害関係人として選任を申し立てる
  4. 審判で選任された執行者が就任し、手続きを開始する

似た用語との違い

用語主な役割活動時期権限の根拠
遺言執行者遺言内容の実現(名義変更・認知など)相続開始後民法・遺言
成年後見人判断能力が低下した本人の財産管理・身上保護生前家庭裁判所の審判など
相続人代表(代表相続人)金融機関などとのやり取りの窓口相続開始後便宜上の呼称で法的権限なし
遺産整理受任者遺言がない場合などの相続手続き代行相続開始後相続人全員との委任契約
死後事務委任の受任者葬儀・納骨・支払いなど財産承継以外の事務死亡直後生前の委任契約
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補足

「相続人代表」は法律上の資格ではなく、単独で財産を動かす権限はありません。遺言執行者と混同すると、手続きの見通しを誤る原因になります。

まとめ:遺言執行者は相続手続きの負担を左右する存在です

よくある質問

注意

本記事は一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別の法律・税務判断を提供するものではありません。相続の事情はご家庭ごとに異なるため、遺言書の作成や遺言執行者の選任・依頼にあたっては、司法書士・弁護士・税理士などの専門家への相談をおすすめします。

最終確認日:2026年7月10日

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